株のバックテスト:Pineスクリプトで戦略を検証する

January 28, 2025

株式投資においてバックテストは、トレード戦略が過去のデータでどのように機能したかを確認するための重要なプロセスです。TradingViewのPineスクリプトを活用すれば、簡単かつ効率的に戦略を検証できます。本記事では、株式投資でのバックテストの基本から、Pineスクリプトを使った実践例までを初心者向けに解説します。


1. バックテストとは?

バックテストは、過去の株価データを基にトレード戦略の有効性を検証する方法です。これにより、戦略が異なる市場条件でどの程度効果的かを確認できます。

バックテストの主な目的:

  • 戦略のパフォーマンスを測定
  • リスクとリターンの評価
  • 戦略の改善ポイントを特定

TradingViewは、豊富なヒストリカルデータとPineスクリプトを活用して、手軽にバックテストを行える最適なプラットフォームです。


2. TradingViewでバックテストを始める

TradingViewでは、Pineスクリプトを使用してカスタム戦略を作成し、過去のデータでその戦略を検証できます。

基本的なバックテスト戦略:


//@version=5
strategy("株バックテスト戦略", overlay=true)

// 短期と長期の移動平均
shortMA = ta.sma(close, 10)
longMA = ta.sma(close, 50)

// 売買条件
longCondition = ta.crossover(shortMA, longMA)
shortCondition = ta.crossunder(shortMA, longMA)

if longCondition
    strategy.entry("ロングエントリー", strategy.long)

if shortCondition
    strategy.close("ロングエントリー")

このコードは、短期移動平均線と長期移動平均線のクロスを基にしたシンプルな売買戦略を実装しています。


3. TradingViewのバックテスト機能を使いこなす

バックテスト結果は、戦略テスターパネルで確認できます。

戦略テスターで確認できる指標:

  • 総利益:全トレードで得た利益の合計
  • 勝率:利益を出したトレードの割合
  • 最大ドローダウン:資産が最大減少した割合

例:戦略を改善するためのヒント

パフォーマンスを向上させるために以下を調整しましょう:

  • 移動平均の期間を変更する
  • ストップロスやテイクプロフィットを追加する
  • 条件を複数組み合わせて検証する

4. Pineスクリプトでの高度なバックテスト設定

Pineスクリプトは、株式のバックテストを柔軟に行うための強力な機能を提供します。

1. ストップロスとテイクプロフィット:


stopLoss = input(50, title="ストップロス")
takeProfit = input(100, title="テイクプロフィット")

strategy.exit("エグジット", "ロングエントリー", stop=close - stopLoss, limit=close + takeProfit)

2. 時間フィルター:


if (hour >= 9 and hour <= 15)
    strategy.entry("ロング", strategy.long)

3. アラートを設定:


if longCondition
    alert("ロングエントリーの条件が満たされました!")

5. 実用的な応用例

以下は、実際に活用できるバックテスト戦略の例です:

例1:RSIを利用した戦略


//@version=5
strategy("RSI戦略", overlay=true)

rsi = ta.rsi(close, 14)
longCondition = rsi < 30
shortCondition = rsi > 70

if longCondition
    strategy.entry("ロングエントリー", strategy.long)

if shortCondition
    strategy.entry("ショートエントリー", strategy.short)

例2:ボリンジャーバンド戦略


//@version=5
strategy("ボリンジャーバンド戦略", overlay=true)

length = input(20, title="期間")
mult = input(2.0, title="倍率")

basis = ta.sma(close, length)
upper = basis + mult * ta.stdev(close, length)
lower = basis - mult * ta.stdev(close, length)

if ta.crossover(close, lower)
    strategy.entry("ロングエントリー", strategy.long)

if ta.crossunder(close, upper)
    strategy.entry("ショートエントリー", strategy.short)

まとめ

株式投資のバックテストは、戦略の有効性を評価し、トレードスキルを向上させるための重要なプロセスです。TradingViewのPineスクリプトを活用することで、簡単にカスタム戦略を作成し、過去のデータで検証できます。

さらにPineスクリプトを深く学びたい方は、私たちのPineスクリプトチートシートをご覧ください!初心者にも分かりやすいコード例やヒントが満載です。